雪色の魔法

──キレイ

それは、大粒の雪の結晶のようだった。

「おじさん、それいくら?」

「えっ!?」
「2800円」

暫く財布と睨めっこしていた拓海は

「よっしゃ!
 おじさん、今日は祭りだからまけてくれるんだろ」

ニカッと笑ったその顔に、職人のおじさんは参ったなという顔しながら

「1600円な。
 それ以上はアカンな」

おじさんと交渉成立した拓海は、受け取った物を首にかけてくれた。

「あ、ありがとう」

「お嬢さんは幸せやな。
 そのペンダント、肌身離さず着けとると良いことあるで」

「絶対、離すなよな」

「うん。ずっと着けてるね」



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