ただ逢いたくて
「…な!」
「何?聞こえない」
「行くなよ!」
無意識に林梨を
抱きしめていた。
「痛い!」
そんな事関係ない。
誰にも渡したくないんだ

「痛いってば!」
ドンッ
強く突き飛ばされた。
俺が嫌いなのか?

あの時どんな目で
林梨は俺を見ていた?
怖かったはずな。
自分でも分かってた。
こんなの俺じゃないって

林梨は抵抗して
いたけど俺は
強く深くひどいキスを
した。
鐘の音が鳴り響く。

「やっ、建也怖い」
もう声は
届いてない。


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