ただ逢いたくて
「待って……!」
聞こえたと思う。
でもあの時は多分、
なにもかもが分からなくて待たなかった。

帰る時もきっと
早歩きで誰かが話しかけたかもしれない。
とにかくこの事を忘れたかった。

何ヶ月が過ぎさっただろうか。
桜が満開で空は青く
澄み渡っていた。
今日体育館は全校生徒が集まっていた。


< 58 / 61 >

この作品をシェア

pagetop