求愛
第三章――痕






 泣いている彼女を初めて見た。




 復讐を糧に
 傷を負いながら

 死ぬ術を探していた。


 
 俺達は同じだったよな。


 

 痛々しいまでの痕も、
 弱々しいまでの瞳も、


 全部消せる力があったなら。



 今でもそう
 願わずにはいられないんだ。





 なぁ、ちゃんと届いてた?



 

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