求愛
ふたりで教室を出て、廊下を歩き、階段まで来たところでその姿を発見した。
慰める乃愛と、涙を拭った梢。
「ほら、梢。
隣同士なんだし、たまには一緒に帰ろうぜ。」
嫌よ、とまだ強がる彼女に、
「んなこと言ってっと、帰りにガリガリくん買ってやらねぇぞ?」
それを聞き、乃愛がぷっと吹き出した。
あたしも思わず笑ってしまい、
「梢、今日は直人と一緒に帰りなよ。」
「ちょっ、何でよ、リサ!」
「大丈夫だって。
直人はあいつらとは違うって、ちゃんとわかってるでしょ?」
いつまでも傷を抱えながら内にこもるより、時には荒療治でもこんな風にすべきなのだ。
梢は一瞬驚いて、でもすぐに諦めるように息を吐いた。
「アンタはひとりじゃないよ。」
「そうだよ。
何かあれば、いつだってうちらが助けるから。」
あたしが言って、乃愛が言うと、直人は笑いながら梢に右手を差し出した。
それは先ほど彼女が振り払ったもの。
「帰ろう、こず。」
恐る恐る梢はそれを握り返す。
涙でぐしゃぐちゃな彼女の顔は、耳まで真っ赤になっていた。
「あとは任せたよ、直人。」
慰める乃愛と、涙を拭った梢。
「ほら、梢。
隣同士なんだし、たまには一緒に帰ろうぜ。」
嫌よ、とまだ強がる彼女に、
「んなこと言ってっと、帰りにガリガリくん買ってやらねぇぞ?」
それを聞き、乃愛がぷっと吹き出した。
あたしも思わず笑ってしまい、
「梢、今日は直人と一緒に帰りなよ。」
「ちょっ、何でよ、リサ!」
「大丈夫だって。
直人はあいつらとは違うって、ちゃんとわかってるでしょ?」
いつまでも傷を抱えながら内にこもるより、時には荒療治でもこんな風にすべきなのだ。
梢は一瞬驚いて、でもすぐに諦めるように息を吐いた。
「アンタはひとりじゃないよ。」
「そうだよ。
何かあれば、いつだってうちらが助けるから。」
あたしが言って、乃愛が言うと、直人は笑いながら梢に右手を差し出した。
それは先ほど彼女が振り払ったもの。
「帰ろう、こず。」
恐る恐る梢はそれを握り返す。
涙でぐしゃぐちゃな彼女の顔は、耳まで真っ赤になっていた。
「あとは任せたよ、直人。」