求愛

地元に戻り、駅の近くにある行きつけのペットショップでシロのエサを買ってから、タカの家に行く前に、近所のコンビニに寄った。


そしてジュースだけを買って店を出た時、



「…あっ…」


その、見覚えのある顔に、無意識のうちに舌打ちが混じる。


まさか白昼に、しかもこんなところでコイツに会うだなんて、思いもしなかった。



「何でお前がこの辺りウロチョロしてんだよ。」


「春樹に関係なくない？」


見るからにギャングみたいな恰好で、彼は睨むような目を向けてくる。


制服を着ているあたしは、傍から見れば、ナンパされているというよりは、絡まれているような感じにも見えるが。



「てか、話し掛けないでよ。」


あたしの言葉に春樹は苦虫を噛み潰したような顔をしながらも、



「死んでねぇのは知ってたけど、てめぇも相変わらずだな。」


再会は、木下くんの命日の日以来だ。


薬局の袋ごと捨てたあたしをどう思っているのかなんて知らないけれど、でも今更慣れ合う気なんてない。


春樹は煙草を咥えた。



「なぁ、とりあえず話せねぇか？」


我が耳を疑った。


コイツと話すことなんて何もないし、第一勘弁してほしい。



「悪いけど、忙しいの。」