求愛
うん、そうだよ。
春樹なんか大嫌いだったし、死ねば良いとすら思っていた。
けど、でも、あの子が苦しそうに顔を歪めるのを見る度に、あたしの中で、罪悪感の欠片がうごめくの。
だって春樹は本当は、木下くんが大好きだったから。
木下くんが当時、レベルの高い私立校の勉強についていけてなかったって、みんな知ってたのにね。
なのにそれ全部、性格の正反対だった春樹と一緒にいたからだって言われて、結局は噂に尾ひれがつき、全てがあの子の所為になってしまっただけ。
それをわかっていながら、あたしは何もかもが壊れてしまったことを春樹の所為して、今も憎み続けてる。
ねぇ、最低でしょ。
「だから本当は、消えてしまえば良いのはあたしの方なの。」
許すことすら出来ないあたしの存在なんて、なくなれば良いのに。
「やめろよ、冗談でもそんな風に言うな。」
冗談なんかじゃないのに。
なのにタカがあまりにも悲しそうな顔で言うから、それ以上の言葉が出なくなる。
「俺にはお前が必要なんだから。」
「………」
「エンペラーの中で一番可愛がってる春樹も大切だけど、それ以上にお前がいてくれなきゃダメなんだ。」
馬鹿だよ、タカは。
こんな、何の価値もないあたしのために、そんなこと言わないでよ。
泣きそうな顔なんてしないで。
春樹なんか大嫌いだったし、死ねば良いとすら思っていた。
けど、でも、あの子が苦しそうに顔を歪めるのを見る度に、あたしの中で、罪悪感の欠片がうごめくの。
だって春樹は本当は、木下くんが大好きだったから。
木下くんが当時、レベルの高い私立校の勉強についていけてなかったって、みんな知ってたのにね。
なのにそれ全部、性格の正反対だった春樹と一緒にいたからだって言われて、結局は噂に尾ひれがつき、全てがあの子の所為になってしまっただけ。
それをわかっていながら、あたしは何もかもが壊れてしまったことを春樹の所為して、今も憎み続けてる。
ねぇ、最低でしょ。
「だから本当は、消えてしまえば良いのはあたしの方なの。」
許すことすら出来ないあたしの存在なんて、なくなれば良いのに。
「やめろよ、冗談でもそんな風に言うな。」
冗談なんかじゃないのに。
なのにタカがあまりにも悲しそうな顔で言うから、それ以上の言葉が出なくなる。
「俺にはお前が必要なんだから。」
「………」
「エンペラーの中で一番可愛がってる春樹も大切だけど、それ以上にお前がいてくれなきゃダメなんだ。」
馬鹿だよ、タカは。
こんな、何の価値もないあたしのために、そんなこと言わないでよ。
泣きそうな顔なんてしないで。