求愛
結局そのまま眠れなくなり、朝の5時を迎えた頃、煙草を切らしてしまったので、仕方がなく近所のコンビニに向かった。


するとそこには、見慣れたギャル車が止まっていた。



「…結香さん?」


「あー、リサじゃーん!」


そのテンションの高さには若干ついていけないが、



「そういえば、タカさんちってこの辺だって言ってたっけ。」


「はい、すぐそこです。」


「あたしも後輩がこの辺に住んでて、今日は折角の休みだったのに色々と愚痴を聞かされちゃってねー、気付けばこんな時間だよ。」


ははっ、と彼女は笑った。


笑ってから、どちらからともなく店の裏に座り込み、結香さんは今しがた買ったばかりなのだろう、ジュースを手渡してくれる。


で、無意味に乾杯をした。



「あの、道明さんとはどうですか?」


おずおずと聞いたあたしにブッと噴き出しながらも彼女は、



「笑っちゃうくらいに普通ってゆーか、もう半分は諦めてるけどね。」


「………」


「まぁ、みんなに優しい久保さんは罪な男っていうか、勘違いしてるあたしも十分馬鹿なんだけど。」


タカから聞かされた話の限り、顔とかじゃなく、やっぱり結香さんはアイさんに似てる部分がある気がする。


それが良いことなのかどうなのかはわからなくて、だからあたしは励ましの言葉ひとつも言えないまま。

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