求愛
こんな看病は誰も喜ばない、と道明さんが言ってくれたのに。


倒れればタカが戻ってきてくれるかも、なんてことさえ考えていた浅はかな自分がいたことも確かだ。


けど、でも、現実はそうじゃないから。


大切だった人たち全てを失った今、何を目指して生きれば良いのか。


確かに命は重いけど、でもタカにもう一度会えるなんてこと、本当にあるのだろうかと、最近では思うようになってきた。



「リサ、少し休みなさいよ。」


「………」


「疲れてるでしょうし、一眠りしたらまた元気に笑えるようになるわよ、きっと。」


あたしは無言で頷いた。


そのまま自室へ向かおうとしていた時、



「あら、雪が降ってきたわね。」


闇空から舞い落ちる、粉雪。


ただ訳も分からず涙が溢れて、止まらなかった。



「ほら、風邪引くわよ。」









ねぇ、タカ。


もう戻ることのない日々が
次第に色褪せそうで怖いの。










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