求愛
ソファーを支えに膝立ちのような恰好にさせられ、ギシギシとそれの軋む音と、耳元に触れる彼の荒い息使い。


タカの舌が這い、乱れた衣服がもどかしい。


拘束された両手は思うようにならないけれど、それでもあたしは、もたらされる痛みに溺れていた。


どうかこのまま殺してはくれないだろうか。



「良いね、すげぇ勃つよ。」


汗ばむ体とは対照的に、頬を撫でるナイフは冷たい。


タカはあたしの中で動きながら、艶っぽい息を吐き、相変わらずの見下すような瞳を落としてくれる。


壊れてしまえば良いんだ、何もかも。



「……タカ…」


塞ぐように絡め取られた唇。


突然拉致し、こんな場所に連れて来て犯すような男に悦楽を感じているだなんて、あたしもあたしだろうけど。


タカはきっと狂ってる。


そしてそれを求めてるあたしは、もっと狂っているのだろう。



「ねぇ、もう殺してよ。」


言った瞬間だった。


彼は最奥を突き上げ、あたしが嬌声を上げると同時に、白濁とした欲望を吐き出した。


改めてちゃんと見たタカは、驚くほどに綺麗な顔立ちをしていた。


人はセックスをしている時と死ぬ間際が一番美しいのだと、どこかで聞いたことがあるような気がするけれど。

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