あした
店長の運んできた チョコサンデーでお口直し・・・

帰り際に 幸子達とファミレスに来る約束をしてあったことを思い出した。

この辛いカレーを出されては堪らない。

「店長さん。」

「なんです?」

「近いうちに 芦田さんの ご両親を お連れしたいんです。
 彼が生きている時は 彼が 嫌がって 来させてくれなかったそうなんです。
 お連れしたとき 出して欲しいメニューのリクエストがあるんですが・・・」

「まさか・・・・この コースを???」

「いいえ・・・彼が このお店で一番 好きだったメニュー・・・・
 もしくは 憧れていた メニューを出していただきたいんです・・・・」

「好きなメニューはなんだったのか・・・申し訳ないが知らないんですよ・・・
 ただ、憧れていたメニューというか・・・・
 こんな食べ方したい・・・・なんて いうのは 聞いた事ありますんで・・・
 前もって 連絡いただければ ご用意できると思いますが・・・・」

「それって・・・・」

「ああ・・・新メニューの企画会議をしていた時に こんなのが
 あれば いいかもって・・・・彼が 発案した 新メニューの企画が
 私の手元にあるんですよ・・・・それをご用意させていただきます。」

「いいんですか?」

「ええ、彼への 私達からの レクイエムですよ。」

「ありがとうございます」


数日後 連絡を入れて 美咲はファミレスに幸子と友紀人を伴って出向いた。


誠の 発案した新メニューは そのファミレスで人気の商品を ミニサイズにし
コース料理風にアレンジしたものだった・・・・・


値段もリーナズブルで 色んな味を楽しめるのが とてもいいと美咲には思えた。

幸子も友紀人も 息子の発案した新企画メニューであることを店長から

聞かされて感動しているようだった・・・・

3人の食卓の風景にあるのも 誠の笑顔だった・・・・・
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