あした
「生前 恋人騙して 食べさせてみたいって 悪趣味なこといってたらしい。
 で・・・この前 まんまと ひっかかって・・・悔しいから 大川さんに
 マコの代理になってもらって 仕返ししようと思ったんだけど・・・
 マコと大川さんの友情は 硬かったってことで・・・・」

「ふっ・・・硬かったネ・・・・ カレーだけじゃなくて他のことも 代理お願いされたいようだ。」

智也が そう呟いた。

「えっ?カレー以外にもって・・・・他に何があるの?」

不思議そうに美咲がつぶやいて カレーを一口食べた。

「おいしぃ~~~ 辛口だと 普通に食べられるんだけどね・・・
 あっ・・・大丈夫ですか?それ 食べ切れます?」

「あ・・・大丈夫というか・・・」

「大丈夫というかって?」

「これ 完食したら 僕の願い事を聴くってってのはどうですか?」

「なんですか?」

「とにかく完食したら なんでも聞いてくれる?」

「なんでも・・・・ですか?」

「そう なんでも。」

「こわいなぁ~。 私にできることですか?」

「たぶん・・・」

そう言いながら 智也がまたカレーを一口食べた。

表情が変わる・・・

それでも 我慢して口に運んでいる。

カレーの辛さで 汗ばんで 無口になっている。

心なしか 顔色も蒼くなってきてるような・・・・

心配になって美咲が声をかけた。

「ねぇ・・・無理しない方が・・・・」

「だ・・・大丈夫・・・・」

そう言いながら なから 激辛カレーを完食すると、

「ちょっと 失礼・・・」

そう言って 洗面所へと席をはずした。

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