あした
「マコに?」

「ええ・・・病院に 美咲ちゃんがいるときは あの子 あえて智也君のこと 
 呼ばなかったのよ。」

「えっ?そうだったんですか?」

「なんでかは 智也君の お願い聞けばわかるよ。」

「えっ?」

「まぁ せっかく 無謀なまねしたんだし お願いきいてあげたら?」

そう言って 幸子が笑った。

幸子の言葉の意味がつかめないままに 美咲は 智也の病室を尋ねた。

美雪の姿はなく 智也が1人ベッドに横たわっていた。

「大丈夫ですか?」

「ああ・・・・ごめん なんか 凄くみっともない所見せちゃったみたいだ・・・」

「ほんとうですよ。」

「僕、本当は 辛い物 全然食べられないんだ・・・」

「お母さんに聞きました。」

「ふ・・・君が食べられた カレーも食べられなかったなんて・・・・恥ずかしいよ」

「えっ?完食したじゃないですか。 お願い 聞かないといけませんね。」

あっけらかんとした表情で 美咲が言った。

「聴いてくれるの?」

「ここまで 無謀なマネされちゃね・・・聴かないわけにもいかないでしょ・・・」

「いいの? 聴いたら 無条件で従ってもらわないといけないお願いなんだよ」

「そうね。 病院に担ぎ込まれてまでも 満たしたい事って なによ・・・・」

「実は・・・・」

「実は?」

「あの・・・・」

「あの?」

「その???」

智也が口ごもってるところへ 美雪が帰ってきた。
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