あした
とたんに 黙り込んだ智也を見て 美雪が彼をからかった。

「あら?もしかして 私 すごい ナイスなタイミングで入ってきて
 邪魔した?」

美雪のコメントに 美咲が 噴出した。

「本当だよ・・・最悪。」

「じゃぁ・・・また 出て行こうかぁ?」

「いいよ・・・いい。」ウンザリした様子で智也が答えた。

「大川さん?」

美咲が智也に声をかけた。

「なに?」

「大川さんは もうろうとしていて わからなかったでしょうけど、
 はじめて呼び出されて会ったのに、トイレで吐かれた挙句
 付き添いで乗せられた 救急車はマジ ありえないくらいの乗り心地の
 悪さで、こっちまで 気持ち悪くなったの・・・・最悪だった・・・・
 どうしてくれるのッテ感じ。」

「確かにネ・・・」美雪が妙に納得している。


「どうしてくれるのって・・・言われても・・・」

「どうにもしてくれないわけ?」

「そうよ・・・智也。ちゃんと お礼しないとね。」

「あ・・・・」

「今日は 遅いし、そろそろ 父が迎えに来る頃なので帰ります。」

そう言って 美咲は智也と美雪に頭を軽く下げると病室を出て行った。
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