あした
涙を拭いて テーブルに戻ると 持ち帰りようのピザBOXが置かれていた。

「これ・・・・」

「マコの家への手土産。」

「えっ?」

「この ピザ マコが好きだったんだ。マコの親父さんとお袋さんも好きなんだって
 よく 奴がテイクアウトして帰っていたんだ。」

「行くの?」

「嫌か?」

「嫌じゃないよ。」

「じゃ、行こう。僕 マコに 用事がある」

「マコ・・・・に?」

「ああ・・・」

ピザの箱を 手に取り智也が 席を立った・・・

美咲も後を追うように席をたった。





マコの家に着く・・・

智也がチャイムを鳴らすと 中から 幸子が顔を出した。

「あら!!智也君じゃないの。」

「お袋さんと親父さんに お土産です。」

 そう言って 智也がピザの箱を振った。

「あっ・・・もしかして サラの?」

「そうです。それに・・・」

そう言いながら 智也が美咲の前から すっ~とずれた。

「あら・・・美咲ちゃんまで。」

「こんにちわ・・・・」

「さぁ、上がって。残念だわ 今うちの人は出かけてるの。」

「そうなんですか。」

「ええ、パチンコ仲間と旅行へいってるの・・・」

「お袋さん 1人おいてですかぁ?」

「そうなのよ。でも お陰でサラのピザ ありつけて ラッキーだわ。」

 そう言って 幸子が明るく笑った。

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