あした
智也が 美咲に向き直って言った。

「友達からの スタートなら乗ってくれる?」

「乗る??」

美咲が 少し笑いながら 尋ね返した。

「うん。友達からで・・・いいんだ・・・ずっと 友達のままでも・・・」

「本当?」

 幸子まで智也をからかって 言った。

「今 そう思った。誠にとって美咲ちゃんは 宝物だったんだと思うんだ・・・
 あいつさ、僕が 病院へ顔出す時は必ず連絡入れてくれって・・・
 入れると 今日は駄目だって・・・・その連続・・・・
 親友なのかよ・・・・って こっちが疑いたくなるくらい NGな返事が
 多かったんだ。そのくらい 美咲ちゃんとは 限られた時間を
 過ごしたかったんだと思う。親友の僕に邪魔されたくない。と願うくらいね。
 もし、僕が反対の立場だったら・・・・
 わかるんだよ・・・誠の気持ち・・・・だからさ・・・・」

「ごめんね・・・親友の智也君が マコと過ごす時間をけずっちゃって・・・」

「違うよ。それを望んだのは 誠なんだよ・・・美咲ちゃんがマコにとって
 大事な存在じゃなければ、マコの性格だもん。僕の事呼んだよ・・・・
 そうじゃない。大事な存在だからこそ 親友の僕にさえも 邪魔されたく
 なかったってことなんだよ。」

そう言って 智也が穏やかに誠の遺影に向かって微笑んだ。
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