あした
ドアを開けると 新造が立っていた。

「友達の事 いきなり 殴るなんて お父さんどうかしてた。」

「・・・・・」

「彼は、美咲のボーイフレンドか?」

「違うよ・・・さっき 自転車で怪我した私を 病院に搬送してくれた人・・・」

「そりゃ・・・申し訳ないことをした・・・・お詫びに伺わないといけないな・・・」

「いいよ。そんなことしないで・・・」

彼に両親を会わせたくないと思った。

「どうして・・・」

「知らないもん。私だって・・・・」

「さっき 送ってきてもらったじゃないか・・・・」

「自転車探しに行ったら たまたま あったの。」

【半分ホントで半分嘘だ・・・・また 嘘ついてるよ 私・・・・・いつから
こんなに親に嘘ついたり 隠し事したりするようになったんだろう・・・】

珍しく 反省している父の姿を見ながら少し後ろめたさが残った。

「そ・・・そうか・・・・じゃぁ、今度会うことがあったら お父さんが
謝っていたと伝えておいてくれ。それじゃ・・・おやすみ」

そう言って 背を向けた新造に美咲が声をかけた。

「ねぇ・・・・お父さん?」

「なんだ?」

「どうして 逆上したの?私の事信じられなくて逆上したの?」

「親は子供に何度裏切られても 信じたいもんなんじゃないのか?」

「私の事 信用できない?」

「本音を言わせて貰えば・・・・してるとはいえないかもしれないな。。」

「お母さんもだね・・・・」

「かもな・・・・」

「それって・・・私がお姉ちゃんみたいに できる娘じゃないからだよね・・・」

「そのつもりはないんだが・・・・」

「違うの?」

「おまえは そう思っているのか?」

「・・・・・・」

「雪菜は雪菜・・・美咲は美咲だと思って 育ててきているつもりだが・・・
もう遅い。明日も学校だろ?やすみなさい。」

そういい残すと 新造は 寝室へ入って行った。
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