あした
ただいまぁ~~
都営住宅・・・
入ってすぐのキッチンで 誠の母親の
幸子と 父親の 友紀人が朝食をとっていた。
「おかえりなさ・・・・・」
幸子が言いかけて 美咲を見て驚いている。
【こ・・・・こういう時はなんて言えばいいんだぁ???】
言葉を探しながら とりあえず 作り笑顔で軽く会釈した 美咲をみて
「ねぇ お父さん お赤飯だわ・・・・」とニッコリしながら幸子が言った。
【へ・・・・へぇ?お赤飯って・・・・・】
「何 馬鹿なこと言ってるんだよ。」
誠が テーブルの上のおかずをつまみ食いしながら言った。
お赤飯とふられた 友紀人が新聞から顔をあげて 美咲を見て ボソリといった。
「はじめてだぞ・・・・」
「な・・・・なに 言ってるんだよ・・・・」
友紀人の言葉に 何故か動揺しながら誠があわてて否定をした。
「そうよね。だから。」 と 幸子。
「はいはい。 赤飯でも 黒飯でも 御飯でも 好きなだけ炊けって。
炊いていいから 半日 相手してて。」
「へっ? ちょっと マコったら・・・・いきなり彼女連れてきたと思ったら
相手しろって・・・・」
「彼女じゃねぇ=よ。」
「じゃ なに?」
「登校拒否高生」
「登校拒否高?そんな高校あったか?」と 友紀人
「親父・・・そこで 突っ込まなくていいから・・・・」
誠と両親の会話を聞きながら 羨ましいと思いつつ思わず 美咲が噴出した。
「退屈しないと思うよ」
【確かに しないだろうな・・・・でも、 いいなぁ・・・・我が家では
こんなほのぼのした会話飛ばないもん・・・・】