あした
「じゃぁ、行ってくるわ。」

幸子と友紀人がいる キッチンから Uターンするように

誠は 2人の前に美咲を置いて出かけてしまった。

【おい・・・・私はどうすれば・・・・】

唖然として 立ち尽くしていた 美咲に 幸子が声をかけた。

「座って!!今 珈琲入れてあげる。あっ・・・でも珈琲でいいかな?」

「あっ・・・・ありがとうございます。」頭を下げながら美咲が椅子に腰かけた。

・・・が・・・・初対面の相手にどう接したら・・・・

友紀人が 新聞を覗き込みながら 呟いた。

「ああ・・・また 下がったか・・・・・参ったなぁ・・・・」

「マコが言ってましたよ。親父は読みが甘いって。」

「株をはじめたばかりの 若造が何を抜かしてる・・・」

「あら・・・でも、この前 儲けたからって、私におこづかい寄越したわよ」

「いくら。」

「3万」

「ふん。いいとこ数万だろ?そのうち100万単位で おまえにやるさ こずかい」

「期待しないで 待ってるわ。」

「あ・・・・あの・・・・」

息子におこずかいを貰っているなんて・・・・そんな風に思った 美咲が口を挟んだ

「なに?」

「お・・・おじさんは 働いてないんですか?」

「俺か?何、マコのやつ 俺が無職だって 紹介したかぁ?」

友紀人が苦笑しながら言った。

「え・・・・いえ・・・無職とは言ってませんでしたが・・・・」

「軽蔑してたか?」

「い・・・いえ・・・・」

「一時期は 荒れて凄かったのよ・・・・お父さんが株 動かすことで
生活しているのがね・・・・俺の親父の職業は 博打かって。」

「取っ組み合いまでした。」

へぇ~そんな風には思えなかったけど・・・・

「今は それなりに 理解してるはずよ。」幸子が珈琲を美咲に差し出しながら言った。

「さて、今日の動向をみますか・・・」

そう言うと 友紀人は書斎兼夫婦の寝室だという部屋へ消えていった。
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