あした
誠がキッチンに戻ってきた。

テーブルの上のテッシュをあわててまるめた 美咲をみて 誠がゴミ箱を差し出した。

「ほい。入れろよ。」

「ありがとう」

「こんなに 鼻かみテッシュ製造して 家のお袋 そんなに感動することした?」

誠の問いかけに 美咲が無言で首を横に振った。

「まぁ・・・息子の部屋で アダルト雑誌読んで 感動してるようじゃ
とても そんな気の効いた事ができるとも思えないけど・・・・」

「マコさんの家族がうらやましいです。」

「そうかぁ?昼飯見てみろよ。その気もうせるから。」

「えっ?お昼ごはんですかぁ?」

そんな誠の言葉を知って知らずか、幸子が 大きな袋を下げてきた。

そして それを 美咲の前に置いた。

「ふふ、美咲ちゃんはどれにする?」

そう言われて 美咲がその袋の中を覗いた。

【カップラーメン?でも、みたことない種類ばかりのような・・・・】

「赤飯じゃなかったのかよ。」

誠が幸子に突っ込んだ。

「あ~~あ 赤飯は手がかかるから、美咲ちゃん 夕飯食べてく?
食べていくなら 赤飯炊こうかぁ?でも これ 貴重な代物よ。
私のコレクション。」

「こ・・・コレクション?」

「ええ。ご当地カップ麺 これ み~~んな ネットオークションで買うのよ。」

誠の方を見ると 頭を掻いて そっぽを向いている。

「どれが 美味しいんですか?」

「う~~んとね、信州みそ これ結構いける。」

「おれ、北海道にする。」と誠。

「えぇ~~~それは 駄目!! 北海道は 私が食べる!!
これしかなかったんだから!!でも、佐賀県も捨てがたい・・・・」

「はいはい・・・じゃぁ 俺が佐賀県食べるから お袋と半分こ。
これで満足?」

「うんうん。大満足 マコはこれだから 大好き。で・・・・おとうさんが・・・

今朝も株価落ちたなんて 情けないこといっていたから・・・善光寺唐辛子麺。

罰ゲームってくらい 辛いんだな これ・・・・・」

1人でほくそえんで楽しんでいる幸子を見て美咲が誠に言った。

「お母さん 明るくていいね。」

「そうか?うざいぜ 結構・・・・」

「親はうざいもんなの!!」幸子が言い返した。
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