あした

「あっ・・・いえ・・・」

思わず 誠から目をそむけた美咲を見て 逆に誠が聴いた。

「さっき 気になったんだけど・・・・俺さ、職場には足の事はいってなかったのに
なんで 美咲ちゃん ストレートに俺の足の事 心配したの?・・・・」

「あ・・・それは・・・」

【どうしよう・・・・ご両親の事話したら・・・】

「親父とお袋に会って来た?・・・」

彼の言葉に 美咲がうなずいた。

「そっか・・・・じゃぁ、全部聴いてきたんだ。」

「うん・・・」

「このままだと 余命3ヶ月ってことも?」

「えっ?」

【う・・・・・うそ・・・・・聴いてないよ。なんで そんなこと 
 そんな風に平気でいえるの?】

「あっ・・・・ごめん 全部話してなかったんだ・・・親父達・・・

さすがに 昨日初めて 連れてきた息子のガールフレンドに 全部は

話さないよな。 あはは 意外と あれで まともだったんじゃん・・・

俺の方が フライング・・・・」

参ったな・・・・と言った顔をして 誠が無口になった。

きまずい 沈黙が続く・・・・

「あの・・・・」

「うん?」

「このままじゃなきゃ・・・・どのくらい・・・・」

「さぁ・・・・」

「このままじゃなくするって・・・・左足の切断のこと?」

「みたいだね・・・・」

「するの?」

「してほしい?」

「わからない・・・・でも・・・」

「でも?」

「足1本と、命・・・・どっちが重たいか 考える・・・・」

「だろうな・・・・」

「命・・・・のが重たいよね・・・・」

「全体の比重を見ればね・・・・」

「比重?」

「そう・・・・」

「命さえあれば なんでも できる・・・・から?」

「人はそういうよね・・・・」

「違うの?」

「そう簡単なもんじゃないんじゃない?」

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