あした
「ライオンの親が 子供を崖から 突き落とす話って知ってますか?」

「えっ?」

「百獣の王 ライオンは 我が子を崖から 突き落とすんです。
厳しい大自然の中で生き抜いて行く為に 親が あえて厳しい試練を子供に与えるんです
崖から突き落とされた子ライオンは死ぬかもしれないし、怪我をして這い上がってこれないかもしれない・・・・それを覚悟で親は子供をがけ下に突き落とすんだって・・・・」


「凄い話・・・」

「それで? ご両親がアメリカから戻られたらどうするんですか?」

「逃げないで話合います・・・喧嘩するんじゃなくて・・・話し合います・・
お父さんとお母さんの気持ちが今は少しだけ マコさんのお陰で解るような気がするから
お父さんとお母さんの言葉に最初は耳を傾ける努力してみようと思っています。」

「俺のお陰?」

「ええ・・・親って 子供に明るい未来の為にも生きてほしいんだろうなって・・・」

「そう考えたら 俺って 親不孝かな・・・・」

「あっ・・・そんなつもりで言ったわけじゃ・・・・」

「ごめん・・・・俺は 崖下に突き落とされて 足をなくしても這い上がってきた
子ライオンかぁ??」

「きっと そうね」

無理して微笑んでいる 彼を見て 美咲は胸が痛かった。




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