あした
「マコの病気がわかって、余命がいくらもないと聞かされた時 最初は マコに生きていてもらえればいいと思ったから、私達が泣くことで時が その 涙に同情して時を止めてくれるなら・・・・その流れを緩めてくれるなら 毎日でも泣いて過ごそうと思った・・・でも、それができたとしても それをされたら マコの人生きつくならない?」

確かに そうだ・・・・自分の愛する人達には 明るく笑っていて欲しい・・・

愛する人達の 涙で 自分の命が永らえても 幸せな人生とはいえない・・・・

自分がいる間は 愛する者達に 笑顔でいて欲しい・・・・


【今 神に お前が生きる為に 愛するものから 涙を流させるか・・・・
 死んでもいいから 愛する者達に 笑顔を与えるか・・・どちらかを選べと
 選択を迫られたら・・・・・俺は 多分 後者を選ぶ・・・・・】

「美咲ちゃんね。 私が泣いていたら なんていったと思う?
 『私は マコの命が短くなるから 毎日 泣いて暮らせって言われても
  マコが好きだし大事だから マコの前では 笑って 明るく 楽しく
  過ごす』そう言い切った。まぁね・・・・出会ってから そんなに日が
 立ってない事も幸いしたのかもしれないけど・・・・・でも、私は そんな
 美咲ちゃんの言葉に とても救われたわ・・・・息子は なんて 強くて
 温かくて 優しい娘さんと出会ったんだろうって・・・・・あなたからの
 最初で最後のBIGプレゼントのような気もしたわ。」


「お袋・・・・・」

「美咲ちゃんのこと 好きなら あなたも 彼女に 笑顔を沢山残して
 いかれるような 思い出のこしていかないとね。愛は命を越えるのよ。」

「参ったな・・・・」

「えっ?」

「すげぇ=参った・・・・・」

そう呟くと 病院の白い天井を誠は 見上げた。

優しくて逞しい 美咲の気持ちが応えた・・・・

初めて出会った時の 今にも消え入りそうだった あの娘が・・・・

そこまで一気に成長してたなんて・・・・

本当に女って 強い生き物なんだな・・・・と改めて感じていた。
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