あした
でも・・・ありえないか・・・自転車は左側通行・・・・って

あっ・・・私右側走ってない?と左側に移動しよと左右確認で前方から一瞬
美咲が目を離した・・・

次の瞬間 前方にこの坂を制覇しようと ペダルを必死にこいでくる自転車発見!

「ヤバイ ぶつかる!!」

あわてて ハンドルを左に切った美咲 ブレーキーも思い切りかけてしまい

前のめりに自転車から放り出された・・・・

頭真っ白・・・・・

脳震盪でも起こしたのか・・・・

気が付いたら 病院のベッドの上・・・・・

ぼやけた視線の先に映ったのは・・・
両親の姿ではなく 昼間あった あの青年の姿・・・・誠・・・さん?

「へっ?あ・・・あいたぁ・・・・」

頭痛がした・・・頭に手をやると おでこの辺りに 
ガーゼを使った絆創膏らしきものが貼ってあるようだった・・・・

「スピード狂だったとはね。」

「一度ならず 2度までも ごめんなさい。」

「あの 急な下り坂で 急ブレーキ急ハンドルは いくら自転車でもかなり
 無謀な行為だな。死のうとでも思った?」

「えっ?」

【一瞬でもそれを考えた 自分・・・・遠からじだ・・・・】

「その 道連れに俺?」

「ごめんなさい。」

思わず 謝罪の言葉が口をついて出た。

「へぇ?マジで?勘弁してくれよ。」

そう言いながら 顔を片手でこすった彼の腕に白い包帯・・・・・

「あっ・・・怪我させちゃうました?」

「ああ・・・これ?違う違う。俺も紛らわしいよな。」
   そう言って 今度は例の人懐っこい笑みを浮かべた。
 
そこへ 連絡を受けた 両親が飛び込んできた。

「美咲 何してるのよ。こんな時にこんな怪我して!!」

慶子の物言いに 誠が少し怪訝そうな表情を浮かべたが、

何も言わず二人に軽く会釈すると 病室を出て行った。


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