あした
「そうよ・・・・」

「キスしてくれたんです・・・・」

「えっ?」

「私にとっての 本当のファーストキスの相手になってくれたんです。うれしかった。」

「本当?」

「ええ。不謹慎な言い方なんですが、もし マコが ちゃんと気持ちを伝えてくれなかったら 私 マコが 逝っちゃった 後の 唇に私から もう一度 キスするつもりでした
あっ・・・・こんなこと 普通は 母親になんて言わないですよね・・・・」

「ありがとう・・・・」

「でも・・・」

「大丈夫ですよ。 おばさん。 マコからも釘刺されましたしね。」

「えっ?なんて?」

「俺にとって おまえは最初で最後の女でも おまえは俺を最後の男にするなよって・・」

「ええかっこしぃね・・・・」

「ホント。えらく かっこいいですよね・・・・でも、マコ 本当に 24歳になるまで
彼女って呼べるようなガールフレンド いなかったんですか?」

「本当の事いうとね・・・
 あの子もね 荒れてた時期があったのよ。高校入試に失敗して、1年浪人して、
 高校へ行ったと思ったら 今度は 何を思ったのか 学校へいったり 行かなかったり
 で 1年留年。高校出るまでに5年もかかったわよ・・・

20歳の卒業生なんて
笑えるでしょ?で、大学へ行って 陸上はじめて・・・・

ところが2年で 俺、パン屋になる・・・
親父のような 株回しなんて 博打みたいな生活したくない。とかいってね・・・
去年から 近くのファミレスでバイトしながら 専門学校行ってたの・・・

それまでは 街中にいたのよ・・・・学校近いからって・・・
郊外にいた私達のところに引っ越してきたの・・・・

こんな風に 好き勝手 生きてきたやつに たなびく女の子なんていたと思えないけど?マコが 初めての女だって言えば そうなんでしょうね。」



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