あした
「最初で最後が私みたいな奴で・・・・」

「そんなことない。」

「マコにとってみたら 上出来だわ・・・」

「おばさんまで そんなこと・・・」

「私 美咲ちゃんの事大好きだもん。」

「そんなこと言ったら 一生 離れませんよ。」

「それも、マコに怒られちゃうかな。。」
そう言って また 幸子が少し寂しそうに微笑みながら美咲を見つめた。



一方 病室では 誠と友紀人が話していた。

「しんどくないか?」

「うん・・・ちょっと きつくなってきたよ・・・」

「そうか・・・・」

「親父・・・」

「なんだ・・・」

「俺 最低な息子だったよな・・・・」

「まぁ、最高とはいえないがね・・・最低ではないよ。」

「ふっ・・・言ってくれるなぁ・・・・」

「誠・・・悪かったな・・・不甲斐ない親父でさ・・・」

「ふ・・・本当だよ。」

「相変わらず 遠慮なく 辛辣な奴だね。」

「親父とお袋の息子だもんな・・・仕方ないよ。」

「苦しいのに モルヒネ投与 拒んでいるんだって?」

「今まではね・・・でも、もう そろそろ限界かな・・・」

「いいのか・・・」

「うん・・・美咲にはちゃんと 俺気持ち伝えたし・・・
 俺の こんな様見てても あいつ 本当は 俺と一緒に泣きたいんだろうに
 気丈でさ・・・さっきも 喧嘩した・・・・」

「ふ・・・この場に 及んで喧嘩とは お前らしいな・・・」

「・・・・だろ?でも、マジ 応えたよ・・・・自分が辛いのに
 あいつが 気丈にしているのが・・・頑張ってるのが わかって
 マジで辛かった。」

「そうか・・・」

「なぁ・・・親父・・・・」

「うん?」

「俺が死んだら、美咲がいつまでも 俺に縛られないようにしてやってほしい。」

「なんでだ?それは 美咲ちゃん自身が決めることなんじゃ・・・」

「あいつ、口では 自分は修道女みたいな生活はしない。
 なんていってるけどさ・・・・しかねねぇ~よ・・・・」

「誠・・・」
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