あした
ずっ病院の屋上から 河川敷で上がる花火が 実に良く見える・・・・
「ここの 病院の為に上げているみたいね。」
花火を 見上げながら 美咲が興奮して叫んだ。
患者とグループホームの入居者・・・非番のスタッフの屋台で
病院の屋上は 完璧な 縁日状態。
車椅子に腰掛 花火が彩る夜空を見上げる誠の横顔は 幸せに満ちていた。
花火の鮮やかな彩が 誠の幸せそうな表情に反射するのを 車椅子の隣に
置いた 椅子に腰かけ 美咲も幸せな思いで見つめていた。
「ずっと 僕の 横顔みつめていましたね。」
上がる花火から 目を離さずに 誠が美咲に言った。
「そのセリフ・・・・・」
「覚えてる?」
「ええ・・・初めてあったとき そう言ってた。」
「何を感じてみてたんですか?」
「ええ?」
「あの時も 答えてもらえなかった・・・・今日は 答えてくれるのかな?」
「ふふ。」
「ふふ・・・って・・・それが答え?」
「ううん。幸せだと思って 今は見てた。」
「俺も 幸せだ。」
そう言うと 誠と美咲は見詰め合って微笑みあった。