あした
夏祭りが 終わった・・・

誠に投与される モルヒネの量は 誠の願いとは裏腹に 日に日に増えていく。

今日も 美咲が 病室に顔を出すと、痛みでのたうちまわる誠を数人のスタッフが

押さえ込んで モルヒネを投与する所だった。

あまりにも 辛い光景で目をそむけた 美咲を見た誠が叫んだ。

「もう・・・・・もう 来ないで!!」

誠の悲痛な叫びに 耐え切れずに 美咲が病室を飛び出して行った。

幸子が それを見て あわてて 美咲の後を追いかけた。

トイレに駆け込み 声を殺して泣く・・・・

明らかに 誠の別れの時は 近づいている・・・・

まだ・・・・彼とであって カレンダーは3枚・・・

3枚めくっただけ・・・・

どうして・・・・人の寿命は神様しか決める事ができないはずなのに・・・

ドクターが もって 余命3ヶ月と言った言葉が どうして こんなに

しっかりとあてはまってしまうの・・・・

マコの寿命が 神様じゃなくて 人間であるドクターによって定められてる
みたいじゃない

そろそろ こわれるかなぁ~と思って 使ってきた 私のドライヤーでさえ

壊れる 寿命だ・・・と家電修理の人に言われて 何年も持っているのに・・・・

人間の体って・・・ドライヤー以下なの?

人間の寿命って・・・・そんなに弱いものなの???

害虫みたいに疎まれている 命だって この世にあるのに 
そう言う命と交換できないの?

どうして マコの 命は もうすぐ終わらないといけないの?


本当に25歳という年齢を迎える事すらマコは許されないの?


なんで どうして 許されないの?

覚悟はしてきたはずなのに いざとなると 美咲の心は

何故・・・どうして・・・なんで?という やりきれない思いで満たされていく



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