あした
「マコの 将来の夢ってなに?」

「・・・・パン屋・・・」

「ああ・・・そうだったね。」

「美咲は?」

「かわいい お嫁さん。」

「・・・・・・」

「なんで 黙っているのよ。」

美咲の言葉に 誠が微笑んだ。

「あ~ああ 笑ったわね。」

「・・・・幸せに なれよ・・・・・」

「当たり前じゃない。 私は いい女だもん 幸せになるよ。」

「・・・だな・・・」

「マコが目覚めさせてくれたんだよ。」

「えっ・・・・・」

「マコが教えてくれたんだよ。 必要以上に 自信なさ過ぎるのは自分を追い詰める
 だけだよって・・・」

「・・・は・・・・そうだっけ・・・・偉い事を・・・」

「私を変えてくれたのは マコだよ。」

「そっか・・・・・」

「私をいい女にしたのは マコだよ。」

「天才だな・・・俺・・・・」

「えっ?なんの?」

「駄目女を いい女にする・・・・・」

「ふっ・・・しょってるわね。 」

「最初で最期の作品?」

「だから 最高傑作でしょ? 最高最強だよ。」

「ふ・・・・・」

 微笑んで 誠が目を閉じた。

そのまま 逝かない様に・・・・・

そんな 思いで 美咲は眠りに落ちた誠の手をしっかり握った。
< 82 / 135 >

この作品をシェア

pagetop