あした
そんな 気持ちを察したのか 幸子が 美咲に言った。

「美咲ちゃん 私から美咲ちゃんの ご両親に電話入れてくるから・・・・
 美咲ちゃんの携帯 借りてもいいかしら?」

「おばさん・・・・」

「うん・・・」そううなずくと 幸子は 美咲から 携帯を受け取ると
電話をかける為に 外へ出て行った。


「美咲・・・・」

「もう・・・・どうして もう少し早く 目覚めなかったのよ・・・
 待っていたんだよ・・・・」

「そうか・・・・」

「明日は 誕生日だね・・・・おめでとう・・・・」

「ありがとう・・・・あっ・・・美咲にお願いがあるんだけど・・・」

「何?」

「明日 お誕生日に 僕が言ったら、あそこの ワゴンの引き出しから
 手紙を出して お父さんとお母さんに渡してほしいんだ・・・・」

「入れてあるの?」

「ああ・・・隠すの大変でね・・・・」

「今 確認してもいい?」

「うん・・・」

ワゴンの引き出しを開けると 病院の入院患者専用のロッカーの鍵・・・

「鍵しかはいってないよ・・・・」

「その 鍵で・・・・ロッカーから 出してきておいて欲しいんだ・・・
 お袋のやつ、しょっちゅう 机の中見るからさ・・・・」

「そうだったんだ・・・・わかった。」

「頼む・・・・」

「ねぇ・・・・マコは明日の いつ 生まれたの?」

「朝の5時ごろだって 聞いてるけど・・・・・」

「ああ・・・だから 早起きなんだ。」

「だね・・・・・美咲は?」

「私は 12月の夜中生まれ・・・・だから 夜っぱり・・・・」

「夜更かし癖は 良くないぞ・・・・早く老ける・・・・」

「そう?」

「ああ・・・・・美容の敵だ。」

「えっ・・・それって 私の美貌の衰えを心配してくれてるわけ?」

「衰える心配ないだろ?」

「それ・・・どういう 意味よ・・・」

< 89 / 135 >

この作品をシェア

pagetop