あした
久方ぶりに 目覚めたせいなのか・・・・

今にも消えそうな ろうそくの炎が 最期に 一瞬だけ強い ゆらめきをみせるかのように その夜の誠は 美咲と 幸子 友紀人と4人で 良く話した・・・・

夜通し話した・・・・

誠の子供の頃の話・・・・

美咲への思い・・・・

時には笑い 時には ほろリとしながら・・・・

夜明けまで話した・・・・

病室の白いカーテンが 朝焼け色に透き通る・・・・

それを見つめて 誠が 大きく深呼吸をした・・・・・

そして呟いた・・・・

「ありがとう・・・・親父とお袋・・・・・ごめんなさい・・・・
 俺・・・・夜通し語りまくって 少し疲れた・・・・もう 休んでもいいよね。
 おやすみなさい。」


時計は 9月10日の朝 5:00を指していた。


散々 語り明かして・・・・


疲れたから 眠るわ・・・って・・・・・

普通に 眠りに入るように 誠は逝った・・・・・

しかも・・・・


お誕生日の・・・・自分が生まれた時間に・・・・・こんなにできすぎてる話ある?


しかも なんで そんなに 穏やかな顔してるの?

少し眠ったら 起きてきそうじゃない・・・・

最期の最期まで ルール違反だよ・・・・

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