second
「マジメに答えるよ」
「うん」

彼女は小さく頷き、灰皿にタバコを捨てる

「僕はね…」

僕が僕の過去を話すのは初対面の人間に話すのは初めてだった。

だが、決心がついたと同時にタイマー音が鳴った

ピピッ…ピピッ…

「残念ね、あなたの話はなんだか興味はあったのに…。そうだ、これあげる」

暗闇の中にある隅っこの小さなテーブルから、お店の名刺をくれた」

「これは?」
「アドレス書いてあるからメール頂戴」

笑った彼女はなんだか、切ない香りが漂っていた。

そして、僕の耳元でつぶやいた

「ホントはさやって名前よ。倉田さや。今度ご飯いこっか?」


声のトーンが甘く感じたのは、これがホンモノの彼女だとおもったからなのだろうか?
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