恋のつぼみ

「花音、おはよ」

「愛梨ぃ～･･･おはよ」


翌朝―――席に着くと、あたしの肩をぽんとたたいて、話しかけてきたのは、愛梨だった。



「愛梨、神崎に聞いてくれた･･･??」

「うん。でも話して大丈夫･･･??」

「大丈夫。本当の事･･･知りたいの」


もう覚悟はできている。


「あたし･･･ゆうべ、舜に電話して聞いたんだけど･･･日向さんね、前から二股とかかけてて･･･それで女の子と別れたことも結構あるみたい。言いにくいんだけど･･･今もいろんな子と遊んだり、家に呼んだりしてるって、ウワサみたい･･･」

「うそ･･･??　やっぱり浮気だったんじゃん･･･」


あたしの中で、何かが崩れた。


「花音、あたしはアヤカって子がただの友だちだなんて日向さんが言ったのも嘘だと思う･･･てか、そう考えるのが普通なのかも。花音はつらいけど･･･」

「前からって事はさ･･･あたし、ずっと騙されてたって事??　ありえない･･･」

「こんな事、言いたくないんだけど･･･別れた方がいいと思う」

「分かってる。別れるよ」