恋のつぼみ
そして放課後。
あたしは屋上へと向かった。
「花音」
「蓮くん・・・いきなり呼び出したりなんてしてごめんね」
「俺こそ・・・昨日はごめんな? ほんとに友だちだから・・・」
――嘘。
「もういいじゃん。嘘なんてつかなくて。蓮くん、前から浮気癖があったんでしょ??
てか、あたしの前で“家来い”だなんて言うだなんて・・・ひどいよ・・・」
「あ・・・あれは・・・」
「ごまかそうだなんてしないで。本当は友だちなんかじゃないんでしょ?? もう全部分かってる・・・別れよう」
「はっ、あっそ。お前なんてもともと本気なんかじゃなかったしな。もういいわ」
ど・・・どういう事・・・。
本気じゃなかった・・・??
あたしは、蓮くんの事、信じようって・・・思ったんだよ??
――遊びだったの??
あたしは涙をこらえきれなくなり、非常階段を駆け下りた。