恋のつぼみ
屋上に着くと、咲ちゃんの目つきが変わった。




「水戸瀬さん」



咲ちゃんがあたしを睨んでいる。


―――絶対、悠斗のことだ。




…………咲ちゃん怒っとるよね…??




「水戸瀬さん、悠斗のことどう思っとるの?」



「ぇえ?? …それは…」


あたしは答えられなくなってしまった。




「……隠さんくていいやんッッ!! はっきりしてよ!! あたし、バレンタインのことだって知っとるんやでね!!!」




…咲ちゃん。

ホントに悠斗のこと好きなんだ。



でも、あたし諦めることなんてできん!!!



「うん。好きだよ」



「悠斗のカノジョは、あたしなんやで!! あたし悠斗とは同小で、ずっと好きだったんやでね!! 絶対あんたなんかに渡さないから」



「…うん。いいよ、それでも。でも、あたしは誰になんて言われようが悠斗のこと好きだから。諦めんで!!!!」




「しつこい女やな・・・。1回振られたクセにまた告るなんて・・・。 まぁ、そこまで言うならせいぜい頑張れば??」


あたしの1回目の告白も知っとったんや・・・。


それだけ言って咲ちゃんは、教室へ戻った。








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