Sea
それはほんの数時間前、今朝の事だった。

気持ち良く寝ていると、いきなり布団を剥ぎ取られ床に転がされた。

何が起こったのか、寝ぼけた頭で必死に整理しようとする俺に更なる悲劇が襲い掛かる。

「ぐっ」


突然、鈍い痛みが脇腹に走る。

それがなんなのか、あまりの痛みに考える余裕もなくのたうちまわる。

「はは、ごめん。でも、夏休みだからっていつもいつもだらけてるんじゃないよ、優」

上から母親が俺を見下ろして笑っていた。

こんのっ、くそばばぁ!

声に出して言ってやりたかったが、呼吸をするのがやっとの状態では呻き声を漏らすのがやっとだった。


「こ、殺す気か……」

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