Sea
ぽつんと置いてある二人掛けのベンチに腰かける。

話によれば迎えがくるはずなんだが。

ひどく見晴らしのいい景色にはその迎えどころか人が歩いている様子さえない。

まぁ、少し待ってみよう。

すぐに来るだろう。


10分後。

蝉は止むことなく鳴き続けている。

相変わらず迎えがくる気配はない。

まぁ、もう少し。


30分後。


もう少し。


一時間後。


いくらなんでも遅すぎやしないだろうか。

あまりの暑さに頭がぼーっとしてきた。
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