狼彼女のお気に入り



「はぁ…ったく、何なんだあいつらは…」


「そう落ち込むな。」


「そぉだよ!ウチの高校の女の子は何ていうか…“肉食系”だもん。」


「そう、だといいんだが。」



出来ればそうだと願いたい…。



俺の左で飯を食っているのが、相沢恵介。

俺と同じ高校2年生。



見た目は黒髪にセルフレームメガネ



制服は俺よりもきちんと着ているかもしれない。



冷静沈着で、いつも助けてもらっている。



そして俺の右が、海矢優太。

同じく高校2年生。



少しクセっ毛で校則ギリギリの焦げ茶色の髪。



男にしては可愛らしい見た目からなのか、よく女子に絡まれているのを見かける。



性格は…


普段は優しい。
良い奴に間違いはないのだが…


まぁ、スイッチが入ると歯止めが効かないのが困る。



「大体、女嫌いの翔が生徒会長をするって聞いた時はどうなることかと思ったが…」


「翔君、頑張ってるよね♪」


「まぁ、やると決めたからには頑張らないとな。」



女なんて


強くて
弱くて

すぐ泣いて
すぐ笑って



…意味が分からない。



だが、そんな意味の分からないものに高校生活を崩されることだけは避けたい。



その為に生徒会長になったと言ってもいいぐらいだ。



「ただ、そんな女嫌いの翔君が密かに女子人気を集めているのは確かなんだけどね〜」


「は?」


「もう少し優しくしたらモテロード一直線なのに…!」



もったいない…と恵介、優太が同時につぶやいた。



しかしモテロードって…




俺はそんなものに興味ないんだが……。








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