狼彼女のお気に入り
仕方がないと言えば、それまでなのだが、当然のことながら、俺は女子トイレに入れる訳もなく
柴原が見つけるまで、外で待っている羽目になった。
「…………あ、ありました…っ!」
やっぱりテスト用紙は、三階女子トイレのゴミ箱の中にあった。
………そういえば、礼を言いそびれていたな
何でこんなところにあったのかは知らないが、篠田のおかげで無事にテストは出来そうだ。
アイツ…
篠田は何考えているのか、今一よく分からないが
基本的には良い奴なんだろう。きっと…
さっきも、結局は何もなかったんだし。
いや、あったらあったで困るんだが…
「──ょう、……会長!」
「…ん?」
「ん?じゃないですよ!早くこれを職員室に持っていかないと…」
「あぁ、そうだな。」
…そうだ。
今はそれよりも…
やるべきことをやらなくては。