狼彼女のお気に入り



「柴原。すまないが、打ち合わせをなるべく早く終わらせたいんだ。…できるか?」


「あ…はい。わかりました!」



俺の無理な頼みに柴原はニッコリと笑って頷いた。



こういう時にはやっぱり、柴原は頼りになると思う。



結局、打ち合わせは最終的な簡単なものだったからなのか、5分もかからないうちに終わった。



「柴原、ありがとな。」



俺は柴原に礼を言うと、急ぎ足で恵介の下に向かった。



恵介は俺の姿を見つけると、少しすまなさそうに手を軽く上げた。



「…どうした?何かあったのか?」


「いや、実はな…」



そう言って、恵介は自分の後ろに視線を移した。



カサッ──



恵介の後ろで何かが動いた。



「優…太?なんでこんなところに…」


「し…翔君っ〜…!」


「わっ!ちょっ…!!」



優太が恵介の後ろから飛び出してきて、俺に抱きついた。



何なんだ、一体…







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