狼彼女のお気に入り
「…仲、悪いのか?柴原と…」
やっと止まった篠田に思い切って聞いてみる。
篠田は意味ありげに微笑んだ。
「会長のせい、でしょ?」
「俺…?」
そう聞き返しても、篠田がそのことについてそれ以上、口を開くことはなかった。
「そういえば会長。一位、とってくれたんだ?」
「あ、あれはたまたまだな…」
「ふふっ。」
「…何がおかしいんだよ。」
「いや、可愛いなぁと思って。」
平然とそんなことを言うから、俺の頬は一気に熱を帯びた。
そんな俺に気づいたのか、篠田の顔が近づく。
「な、なんだよ…」
「…ご褒美、あげよっか?」
「ご褒美…?」
「そ。一位だったご褒美♪」
篠田の指が俺の鼻をつつく。
俺の頭には疑問符がたくさん浮かぶ。