優しい風〜隠れ美少女の初恋〜【完】
…確か、“藤堂”って言ったよな?

俺は「ちょっと失礼します」と立ち上がり、外に出てから姉貴の旦那さんに電話した。



『はい、穂波ーホナミーですが』



「もしもし、基槻です」



『おー、基槻君か。久々だね』



「はい。あの、穂波さんて、藤堂麗香をご存知ですか?」



『麗香さん?知ってるよ。藤堂商事は、穂波商事の下請けだからね』



…やっぱり。

俺の勘は冴えてる。(笑)



「これから藤堂麗香と揉めるかも知れないんですけど」



『そうなの?まぁ理由はわからないけど、こちらは問題ないから、切り札にでも使って(笑)』



俺は豪快に笑ってる穂波さんとの電話を切った。
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