優しい風〜隠れ美少女の初恋〜【完】
風君は「そうだな?」と、ちょっと笑った遊の頭を抱き寄せた。

…何か、ムカつく…。

絵になる2人に、軽くヤキモチ。



「帰ろう?」



遊は風君と俺を交互に見ながら、甘えた声を出す。

俺たちは頷き、「それじゃ」とだけ声を掛け、脱力してる藤堂麗香を放ってレストランを出た。



「まさか基槻に足すりしてるとはな(笑)」



車に乗り込むと、風君がシートベルトをしながら吹き出した。

遊は「笑い事じゃないよ!」と、珍しく俺にくっついて来た。



「妬いてる?(笑)」



「知らないっ!!」



俺のからかいに、遊はそっぽを向く。
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