優しい風〜隠れ美少女の初恋〜【完】
【第五章】―基槻の家族―
翌日、私は学校には行かず、お兄ちゃんの友達の和人さんと会っていた。
待ち合わせしたのは、駅前のカフェ。
仕事の合間に来てくれた。
和人さんは、美容師をしてる。
夜がメインとし、お客さんは、お水商売の人が多いとか。
私はアイスコーヒーを飲みながら、昨日の留守電の内容について話した。
お兄ちゃんが、本当は知っていたんではないかとも…。
「風が?それはないよ(笑)」
しかし、和人さんは笑った。
「あいつは遊ちゃんに隠し事が出来るヤツじゃない」って。
私は「そうかも知れないけど…」と、なかなか信じられない。