優しい風〜隠れ美少女の初恋〜【完】
私は「“運命”なんだね」と、胸の下に回った基槻の手を握った。

指を絡め合い、何枚かある写真をみんなで見る。



「風!運命に乾杯し直そう!」



「良いですねー、お父さん!」



お兄ちゃんとお父さんは、本当の家族のように仲良くなってる。

…良いな…。

こういう家族……。



「遊ちゃん。泣いてるの?」



「え…?」



私はお母さんに言われて頬に触れた。

手の甲についた涙。



「ヤダ…っ。
私、また泣いてる…っ…」



私はゴシゴシと目を擦る。

なのに、止まらない。
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