優しい風〜隠れ美少女の初恋〜【完】
【第七章】―社会人の私―
―――時は瞬く間に流れて、桜が咲き誇る、暖かな春。
お兄ちゃんが亡くなって3年が過ぎた。
今日から私は、介護士として、デイサービスで働く。
偶然と呼ぶのか、奇跡と言うのかはわからないけど、お兄ちゃんが助けたおばあちゃんが通ってる所なんだ。
お葬式の後、おばあちゃんが会いに来てくれて感じたんだ。
私もお年寄りの人を、助け、支えて行こうって。
「ちょっとー。遅刻するよ?」
デイサービスの制服、ユニフォームとなるオレンジのポロシャツに、それに合わせた黒のデニムに着替えた私は、基槻を起こした。