優しい風〜隠れ美少女の初恋〜【完】
でも…2人以上に、この子たちは怖い。



「誰に触ってんの?あ?」



その時、やっと後ろから基槻が来た。

私は掴む手の力が緩んだ隙に振り払った。



「ちょっ、ヤバいし、行くぞ…っ!!」



私の腕を掴んでた子は、他の人たちを連れて、逃げるように去って行く。



「基槻――ッ!!」



後ろに立つ基槻の胸に飛び込んだ。



「悪い、待たせたな…」



基槻は申し訳なさそうな顔で、私の顔を両手で包んだ。



「基槻が来たから大丈夫っ」



私は基槻を見上げながら微笑んだ。

本当に、基槻がいたら、大丈夫なんだ。
< 225 / 252 >

この作品をシェア

pagetop