優しい風〜隠れ美少女の初恋〜【完】
「遊。開けてみな」



基槻は左手で、私の右手にネックレスのケースとまではいかないけど、長めのジュエルケースを握らせて来た。

私は震える手で、ケースを開いた。



「え……?」



私の目に映ったのは、サイズの異なった、二つのキラキラとした指輪。



「和人さんが遊の両親を説得して、風君が遊の名義で貯金してた金で買って来てくれたんだ…」



「…っ…私の名義で……」



全く知らなかった。

私はお兄ちゃんの貯金で、専門にも通ってたから。

まさか、私の名前で貯金してるなんて、本当に驚いて…、何よりも感謝の涙が溢れた。
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