優しい風〜隠れ美少女の初恋〜【完】
【最終章】―優しい風に―
―――6月の梅雨晴れ。
私は、ウェディング会場の控え室で、ウェディングドレスに袖を通した。
真っ白のノースリーブタイプ。
ロンググローブを嵌め、椅子に座る。
「綺麗だよ、遊ちゃん」
「舞子ちゃん、まだメイクもしてないから!(笑)」
鏡越しに私を見て微笑む舞子ちゃんに、お母さんが突っ込む。
舞子ちゃんは水色のミニドレスを着てて、可愛い。
舞子ちゃんとお母さんに見守られながら、メイクを施され、髪の毛をアップにされた。
ベールを乗せたスタッフさんが、「素敵な花嫁さんですね」と、声を掛けてくれた。