優しい風〜隠れ美少女の初恋〜【完】
『もっしー?』



「――あ、俺だけど」



『話って?』



…いきなり訊くのかよ。

まぁ、良いんだけどな。



「俺さ……遊に惚れた」



『で?知ってたけど(笑)』



「は……?」



…今こいつ、何テ言イマシタ?

俺は開いた口が塞がらない。



『俺の席は?』



「俺の二席前」



『お前が教室を飛び出す景色、俺も見てたし。親友の気持ちわかるってーの!』



「…あそ」



『“あそ”ってなー;;』



剛に見抜かれてたとか、ぶっちゃけ悔しい。

けど、何か嬉しさもあり、俺は「サンキュー」と伝えた。

しかし……問題は解決していないんだ。

俺が遊を騙して付き合い始めた事だ。
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